第4回ジャーナルクラブがハイブリット(対面&オンライン)で開催されました。

IBM Quantumの井床利生氏および金澤直輝氏が、Quantum Science and Technologyに掲載された下記論文の紹介をおこないました。論文中で量子計算機の実行精度評価に用いられているQuantum Volumeとはどういった指標なのか、そして、IBMが実装したMontrealというマシンでQuantum Volumeを改善するために開発された技術(動的デカップリング,量子コンパイラの最適化,2量子ビットゲートの高速化,読み出し手法の改善など)について、井床氏が説明しました。また、それらの技術を現在提供されているシステムでどこまで試すことができるのか、Quantum Volumeを補完するために最近提案された量子計算機の実行速度に関するベンチマーク指標であるCLOPSについて、金澤氏が説明しました。各技術の詳細に関する議論に加え、ベンチマーク指標のあるべき姿などについても活発な議論がおこなわれました。

◆紹介論文:
“Demonstration of quantum volume 64 on a superconducting quantum computing system”
Petar Jurcevic, Ali Javadi-Abhari, Lev S Bishop, Isaac Lauer, Daniela F Bogorin, Markus Brink, Lauren Capelluto, Oktay Günlük, Toshinari Itoko, Naoki Kanazawa et. al.
Quantum Science and Technology, Volume 6, Number 2
https://iopscience.iop.org/article/10.1088/2058-9565/abe519

2021年12月03日(金)