第10回ジャーナルクラブがオンラインで開催されました。

慶應義塾大学の畑中美穂准教授が、npj Computational Materialsに掲載された下記論文の紹介を行い、励起状態計算のための戦略-スピンを保存する回路の設計指針と制約条件自動調整変分量子固有値法(VQE/AC)-を説明しました。従来法では、制約条件に関する罰則項の重みを事前に調整する必要があり、この重みが分子種や分子構造に依存するという問題がありましたが、提案手法は、この事前調整を不要にするものであり、光機能性物質の理解と設計に不可欠な基底状態・励起状態上での構造最適化への道を開くことが期待され、活発な質疑が行われました。

◆紹介論文:

“Excited state calculations using variational quantum eigensolver with spin-restricted ansätze and automatically-adjusted constraints”
Shigeki Gocho, Hajime, Nakamura, Shu, Kanno, Qi Gao, Takao Kobayashi, Taichi Inagaki, Miho Hatanaka
npj Comput. Mater. 9, 13, 2023
https://www.nature.com/articles/s41524-023-00965-1

2023年03月07日(火)